3月21日 曇り さんげつ会報告

「ソメイヨシノが…」とニュースのたびに開花予報が流れ人々の期待に満ちた顔の大写しとなる。その頃になると、こちらも落ち着かなくなってくる。この時期を逃すと春の植物「アマナ」に会えない。

 

アマナ(ユリ科)は集落のはずれ、畑の縁のこんもりした所に咲いていた。が、予想通りつぼんだ状態、太陽がいっぱい状態でないと花を開かない。予想した事ではあるが、ちょっとガッカリ。

 

「忍者みち」(渋沢丘稜に取り付く須賀神社からの山道の通称)、ここでもこの時期にしか会うことの出来ないアカシデの花を是非見たいと思って当日メンバー5人で歩く。雑木林の構成木であるアカシデやイヌシデ(カバノキ科)は、ソロとも呼ばれよく知られた落葉樹だ。昆虫でなく風に花粉を運ばせるこの仲間は、葉を展開する前に紙縒り(こより)をゆるめたような花穂(かすい)(雄花)をいっぱいぶら下げ精一杯花粉を飛ばす。アカシデはその花穂が赤いので遠くからでも梢が赤く見える。しかし、今日は曇りなのでその赤さが際立たず残念。その代わりランヨウアオイ(ウマノスズクサ科)が咲き始めていたし、スゲの仲間3種(カヤツリグサ科)も林のなかで揃い踏みだった。

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3月13日の観察 薄曇り〜晴れ 参加者9名

 2月は雷雨だったので中止。久しぶりのみんなの顔、明るい春の気配に満ちた観察会となった。

 室川に沿って歩く。千村(ちむら)の田んぼではセリ、カンゾウ、フキノトウなどが「摘んで、摘んで」と言わんばかりだ。レンゲもわずかに顔を見せていた。ナズナ、タネツケバナ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ満開。子供たちがいたらどんなに喜ぶだろう。ピンクや白の花束を作ったり、花の蜜を吸ったりするだろう。

 「千村生き物の郷」ではイノシシのヌタ場の痕があちらこちらに、夜になると何頭ものイノシシがやって来るのだろう。ワナも何ヶ所か設置されている。斜面を雑木林の中登って行くと、足元のタヌキのため糞には柿とケンポナシの種子がたくさん混じっていた。コナラの根際にノウサギの糞。見回せばアブラチャンの黄色い花やツノハシバミの薄茶の紐を垂らしたような花々。春いっぱい、命いっぱい!

 

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