2月2日 報告 from Hioki-san

〈朝の光に土ぼこりが……〉

 

 

ピリリとした寒い朝

光が透きとおる寒い朝

冬枯れの梢にノスリはいた

 

ここは工事現場のすぐ西側

隣接する畑の縁

畑の縁の この梢が

いまは彼女のとまり場

彼女のとまりたかったあの梢は

 

もうない・・・

 

 

 

見てごらん

猛り狂った黄色い鉄の巨大なものが

ガリガリグゥイーングゥイーン

土煙をあげて 吠えて走り回っている

 

深くえぐれて 山裾に水を流していた

あの沢はいったいどこへ消えたの?

平らで無表情な堅い地面が 代わりに拡がっているばかり

モグラもネズミも居やしない

樹々で埋め尽くされていた電波塔の下の斜面は

きれいさっぱり裸にされて

なにやら作業が始まっている

 

 

「生き物のために、里山の自然はそのまま未来へ残す。現代においては、何もしないというそのことが、人のためにも経済のためにも、地球のためにもなるのです」

亡くなられたT先生の言葉が浮かぶ

 

この朝、ノスリは物思いにふけっているように

私には思えた