丘稜のはずれの 集落のはずれの 藪かげの 田んぼの片隅
雑木林に降って 落ち葉の下にしみこんで
土の中を潜り抜け やがて わずかにしみ出た水が 集まって
田を養い畑を潤し 人の目を楽しませながら
源流と呼ばれるささやかな流れになって
それがあっちこっちから集まって
やがて大きな川となって 海へと旅立っていく
このささやかなもの 「春の小川」
懐かしいすがた…
忘れ去られたようでありながら
季節になると だれかが 野の草を摘みにポツリポツリとやってくる
陽の温かさにくるまれて 思い出に浸るために
自然の懐に抱かれて
しばし 時空の旅を楽しむために
こんな素晴らしい身近な自然が どうか
なくなることのありませんように