7月9日の写真 photo by Kajitani-san

軍手の上にとまっているオニヤンマは片方の翅が開ききっていません。狭い場所で羽化してしまったのでしょうか…。これでは生きていけないでしょう。


ここは千村(ちむら)と呼ばれる集落のはずれ、雑木林に囲まれた形で谷戸田が細く伸びています。竹やぶの最奥にある湧き水が水源で、この辺りは「ドン沢」と呼ばれています。「50年以上昔、子供だった頃よく遊んだよ」と地元の人が話してくれました。その頃はもちろん、谷戸田にはイネが青々と風にそよいでいたでしょう。

今は入り口の3枚ほどの不耕起水田を残すのみ。現在、その手前は蓮田になり年々株が増えて美しく花開き、散歩する人、写真を撮る人が絶えません。

 

奥は「ホタルを守る会」が熱心に手入れをされ、分かりやすい案内板もあり、シーズンには夜の闇に瞬くホテルを見物に来る人も多く、観察会も行われています。この辺りが雑木林に囲まれた谷戸地形(ドン沢)なので、外部の明かりなどが差し込むことなく、ホタルの美しさを満喫できるのです。

また、シャジクモが見られ、動物ではアカハライモリ、カヤネズミの巣も見つかったと聞きました。そのほか一年を通してカルガモ、キセキレイ、ハクセキレイなどの鳥も水辺にやってきます。冬場には珍しい鳥が立ち寄ることもあったのです。

こうした環境はぜひとも残したいと誰しも思うのですがーーーもしかすると・・・。

 

千村には里山に寄り添うような形でもう一つ谷戸田があり、こちらは「千村生き物の里」と呼ばれていますが、またの機会に書きたいと思います。(日置)