11月12日 定例観察会 photo by Ueda-san

定例観察会の第二日曜日、みんなでのんびり歩いた。

色づき始めた雑木林、きらめく空気

秋の陽ざしに体も心も預けてのんびり

でも 渡ってきた鳥を探して梢を眺め空を仰ぎ

動物の足跡から夜の動きを思い描き

花を訪れるハナアブ 葉裏に潜む幼虫も見逃すまいと

目も耳も油断なくぬかりなく それが楽しい

花はどんな実に変身したのか ひっそり咲き残った花はどこにある?

マメガキ ケンポナシ ムクノキ 野の味をそっと舌先で転がしてもみる

鳥になった気持ち 動物になった気持ち 虫になった気持ち

 

尾根道に出て 峠集落の畑「アナザワールド」で昼

空は晴れ晴れと雲が流れていくけれど

直下の工事現場、ここには心躍る自然の営みはない

みんなでゲートの縁に並んでじーっと見つめる

当然のことながら オオカマキリもミドリババヤスデもアゲハモドキの幼虫もいない

ローラーで真っ平らにならされたこの土地には

生きていた数え切れない命、生き物たちの無言の怒りが堅く押し固められている

歩を進めて小高い畑の縁に立ってみると

矢倉岳、金時山、つづく箱根の山々、大室山も望めて 心はほぐれ、はばたく

さらに歩を進め、尾根を辿り八国見山に登れば南足柄、小田原の市街と小田原城が、相模湾が一望

「今日は将棋の駒を立てたようなお城の形がしっかり見えた」

「今日もありがとう 楽しかったよ」体の中に秋の気配をいっぱいにして山を下る

       ありがとう 里山

 

写真:松田の上田さん  文・キャプション:日置さん