山裾の道を歩くとしずかな畑の片すみに
ひっそり春を待つ杭や支えの竹…
丁寧な仕事に心和む眺めだ
ウメは満開で メジロの群れが
蜜を求めてやってくるのもこの時期だ
峠集落の八国見山につながる北斜面
足元を探すとアマナがいちめんに葉をのばし始め
もう小さなふっくらとした蕾も見え始めている
もうすぐ眼ざめの時
斜面を登りかけると 今では珍しいほどに
手入れの行き届いた雑木林
さらに八国見山につながる山道を登る
いつの間にかオニシバリがいっぱいに花をつけて
花いっぱいでおしべの目立つこの株は雄株だね
少し下った山畑では
冬の初めに蒔かれたソラマメが元気に育ち
ぼつぼつ花をつけ始めたものもある
あちらでもこちらでもウメの花がいっせいに咲き
粗朶(そだ)を燃やす人の姿もみられた
里山は長い年月 地元の農家の方々が守り育て伝えてきたもの
心を込めて手入れしてくださる農家の力があってこそ
歩いたり観察したりする我々の心も癒やされる
目覚めの春の繊細な風景の中を歩くとき
息吹を味わうとき
そのことを強く感じる 感謝