山笑う頃の渋沢丘陵  from Hioki-san

渋沢駅の南側に立つと目にやさしい緑、緑。

商店街はすぐ終わり緩やかな登りとなる。

舗装のわずかな狭間にアリアケスミレやヒメスミレなどの隙間植物も見える…。

 

小学校、公民館をくだると室川沿いに谷戸田が広がり

湧き水のある千村からは丘稜に向かう緩やかな登りだ。

 

今日は同行3人。

 

<写真はサトザクラ>

今日は地元のOさんが近年整備された山道(500mくらい)に来る予定と言っていたので、その山道を行く。

踏み込んでみると、なんと土手は下から上までミヤマキケマンの大群落! その間にタチツボスミレやツルカノコソウ、カテンソウ、ジロボウエンゴサクなど、彩りもみずみずしい一大花園となっている。

 

感激してシャッターを切りながらのろのろ進むと、途中の畑からそのOさんがぱったり現れる。Oさんとは、地元の人ならではの昔の様子など話しながら行く。

「昔は畑までどの家からも道があったもんだから、道は至る所にあったんだよ…」とか「尾根のここから集落まではぜ〜んぶきれいな段々畑だったんだよ、あんな竹やぶや草薮なんかなかったんだよ」と。

このOさんは毎年、畑の作物も考えて、田んぼではヒシやレンコンなどを育てる人である。

「里山はさぁ、手入れしなきゃダメになるんだよ」・・・本当にそのとおりだ。

 

Oさんと別れて、尾根道と頭高山(ずっこうさん)への分岐に隣接する「渋沢小学校学習林」と書かれた今日の目的でもある場所に入る。

 

静かな雑木林で、入り口にはニリンソウが咲いていた。ひと抱えはある2本のウワミズザクラはしめ縄を巻いてもらい、空に伸びた枝には咲きたくてうずうずしている花穂を観ることができた。

 

ゆるい下りになるが、まだ芽吹いたばかりの林は明るい。この雑木林によく似合うマメザクラはすでに花は終わり。ウグイスカグラはわずかに咲き残り。

クロモジ、オオツクバネウツギが花の盛りだった。子供たちが学習し守っているオトメアオイもその不思議な佇まいを観ることができた。

 

戻る途中の開けた場所で、お昼とする。

戻って頭高山、白山神社方面に下る途中で、かりがねの松の雑木林にチゴユリが咲き始めているのに出会えてうれしかった。

 

山道を辿って「千村生き物の里」へと下り、千村の湧水を横目に見て駅に向かう。

穏やかなよい日だった。

 

4月12日記