四十八瀬川沿いのバードセンサスで今年も明けた。流れに沿って太陽を背に、川の左右に目を配りながら、表丹沢の山並み(塔ノ岳〜鍋割山)に向かってゆっくり歩く。
才戸橋で回れ右、ゆっくり引き返すと遠くに渋沢周辺の家々の屋根が折り重なるように見え、その向こうに渋沢丘陵がある。
ときに出会う田んぼや畑で働く人、釣り人、散策する人、絵を描く人…静かだ。
<写真:奥に表丹沢(手前は第二東名工事中)>
お気に入りの道だけど、肝心の鳥がめっきりガクンと少なくなった…第二東名の橋が川を跨いだせいだと思っている・・・集約すれば、やはりそういう事。
川は頭高山(ずっこうやま)の裾を流れ、中津川と合流し酒匂川(さかわがわ)に流れ込む。
集落の中を通ると、正月のお飾りが集められていた。
「あ、もうそんな時期なんだ」…でも、今年はどんど焼きはないと書かれている。どこもそうなんだろう。
山の根際にある小さな谷戸に入ってみる。狭い谷戸だが、湧き水が小さくきらめきながら流れ、しんと静かで山奥に一人いるような心地がしてくる。
そこにある足首ほどのの太さしかない古びた杭のてっぺんに小さな“箱庭”があった。
何種類のコケが生えているんだろうか? またそこをすみかとしている小さな命たち。
顕微鏡の世界だが、食う食われるの連鎖が、この手のひらに満たない中にしっかり在るに違いない。
道路を隔てて田んぼや畑、梅畑も広がる明るい大きな谷戸に入ってみる。ここは渋沢公民館のすぐ下の田んぼ。
背の高さほどにススキが茂り、セイタカアワダチソウの枯れ株がぼうぼうとタネを実らせ、年老いた柿の木が惜しげもなく実り(今はもう何もないが)、細かく枝を分けた梅畑は鳥たちの休み場としてもってこいの場所だ。
小道を辿ると若い桑の木にオオカマキリとカマキリ(チョウセンカマキリとも呼ぶ)の卵鞘(らんしょう)を次々見つけた。
どちらも草原のカマキリだ。
クワゴの繭も見つけた。
畑の縁を通ると、お椀を押しつぶして伏せたような土の盛り上がりが15ほどまとまって見られた。モグラ塚としてみんなよく知っているあれだ。
ずいぶん沢山まとまってあれけれど、モグラは働き者なんだな。
たくさんのモグラではなくて、一匹のモグラの仕事らしいが…。
はっきり分かること、それはモグラがいるという事はこの地面の下にはミミズをはじめ大小たくさんの命が暮らしている、毒されていない良い土壌があるのだと言うこと。
またモグラは単独生活者だが、春には♂♀が出会って子孫を残すようだから、そのことも知りたい。
ほんの目と鼻の先にいろんな「???」があるなぁと思いながら帰宅した。