啓蟄のころ  from Hioki-san

 

今日は3月5日、啓蟄。

その二日前ほど前に降った雨のおかげで、なにもかも慌ただしく動き出したみたい。

降っても照っても曇っても、日ごと微妙に色を変えて命の目覚めを示してくれる渋沢丘陵。

冬は空の美しさ、流れる雲の形の不思議さに、また、雑木林の木の美しさに足が止まる。

 

  

霜ばしらが足に冷たく、田んぼのへりが氷に縁どられているような冬のさなかにヤマアカガエルは産卵する。

 

一月末、秦野で産卵と聞いて、渋沢丘陵の山すそにある2ヶ所の谷戸を見て回ったが、空振り。

 

「千村生き物の里」でこんもりした卵塊を見つけたのは2月2日。数日かけて、少しずつ卵塊は増えていった。

 

 

ふつう産卵の時、オスのメイテイングコール(繁殖音)と呼ばれる鳴き声で集まってきて産卵、そのあとまた寝てしまうのだが、今回は声も聞かず、姿も見ず。でも卵塊があってホッとした。

 

しかし「渋沢生き物の里」では卵塊は見られなかった。産卵がなかったということ。こんなことは初めてではなかろうか。それだけカエルの数が減っているということだ。

 

カエルは生きていくために水辺と林床と、両方の環境が絶対必要な生き物で(両棲類)、自然環境の改変に敏感であり、環境が悪化すると他の動物よりも先に消えてしまうと考えられている。

 

 身近に居て害虫退治に活躍。日本は田んぼが多かったので、カエルは子供にとっても大人にとっても、きわめて親しみのある生き物であり続けてきた。絵画、詩歌の題材にもなり、枚挙にいとまがない。

 

 

どこにも普通に居てありふれていた生き物が、気がついたら居なくなっている恐怖。(東京ではヤマアカガエルは準絶滅危惧種らしい!)

 

自分の出来事として重く受け止められずにいるうちに、地球環境はぐんぐん劣化。食う食われるで地球上の生き物はつながっている。思いもかけぬものとつながっているのは、いま世界が直面している周知の事実だ。

 

人という生き物のせいで、知らぬ間にカエルは減っているのだけれど、居なくならないで、カエル!


今、ルーペ片手に樹々の枝先を見て歩くと、一枚の葉がどのように寒さ対策をしてきたのか…、植物が長い時間をかけて辿り着いた自然の持つ知恵の深さに感動する。


 

生き物もいっぱい出てきましたよ! 

お花見はどうぞ里山や川沿いに〜

ルーペと双眼鏡を持ってのんびりと。

 

駅からも近い

誰でも歩ける

人ごみではなく楽しめる

おいしい空気が胸いっぱいの

渋沢丘稜へおでかけくださ〜い!!