のっぽの木、小さい木 サクラの咲くころの丘稜 from Hioki-san

 

今、雑木林の中を歩くとイヌシデやアカシデの雄花が山道を覆いつくすように落ちています。

こうした樹々は風に花粉を飛ばしてもらうので、冬芽がほどけて葉が広がる前に花粉を飛ばす必要があるのです。

 

咲いていたときは、アカシデは梢が赤みを帯びて見えました。今は役割を終えて、こんなにいっぱい落ちている。

 

ごくろんさん。

<写真は上の方のがイヌシデ、下の方のがアカシデ>

 

ちょっと遅れてクヌギの雄花が咲くときは、まるで金のモールを飾り付けたように見えるので豪華です。

<写真はクヌギの木に咲く花>

 

2月1日から一日の最高気温を合計して、その値が600に達した時、ソメイヨシノが開花すると気象予報の時に聞いたのですが、その通りになりました。ソメイヨシノの開花に前後して、眠っていた樹々の冬芽もどんどん開いて葉をのばし、花の準備(子孫を残す)に余念がありません。

 

<写真はタブノキ(クスノキ科)>

 

虫に花粉を運んでもらう花たちが、あちらでもこちらでも次々に競い合うように咲き始めていて、その花のつくりや葉っぱの並びの個性的なこと。

 

虫たちも小さなハチやハエの仲間など、花粉を求めてくる虫、その虫を狙う虫…、今はいろんなかたちの命たちが次の世代を生み出すための命のせめぎあいの刻です。

 

<写真はサルトリイバラ(サルトリイバラ科)>

 

ある日、いっせいに毛虫が顔を見せ、クワゴマダラヒトリの幼虫と教わりました。その毛虫に寄生するヒメバチとかコマユバチなどがいて、また子育てに入る鳥たちの餌ともなって、自然界はトータルでバランスが取れるようになってるはずですが…

 

<写真はクワ(クワ科)雄株>

 

話は変わりますが、渋沢丘陵の千村という地域は、昔から八重桜の開き始めの頃、その蕾の塩漬けが有名な地区なのです。

ソメイヨシノが散り始めるころ、八重桜の畑で木に登ったり、梯子を立てて桜の蕾を摘む風景があちらでもこちらでも見られて、風物詩のように楽しく眺めていましたが、今はちょっと減ったようで残念。

 

<写真は八重桜の畑>

 

八重桜の畑は今が盛りです。

そうしてウワミズザクラの花も咲き始めました。

 

のんびり歩くのは今の季節にぴったり!

夏鳥も間もなくやってきます。

 

<写真は桜漬けにするサクラ>